海外FXの取引では、約定力の高さが勝敗に大きな影響を与えるケースがあります。
約定力は、約定拒否が発生しにくい、または約定ずれが発生しにくいことの総称です。
海外FX業者によって約定力は異なりますが、約定力だけで業者を選ぶのはおすすめできません。
本記事では、約定力の高い海外FX業者の紹介に加え、業者選びのポイントについても詳しく解説します。
約定力の高い海外FX業者を選ぶ時のポイント
海外FX業者は、それぞれ採用しているサーバーが異なるため、約定力にも大きな差がでます。
約定力の低い業者を選ぶと、約定拒否の発生や約定のずれが生じる可能性もあるので注意が必要です。
また、業者選びの際は、約定力の高さに加えて、さまざまな項目を比較して選ぶ必要があります。
以下のポイントを参考に、海外FX業者選びを行ってください。
約定率の高さ
海外FXの約定力を判断する際、基本的なポイントとなるのが約定率です。
約定率の低い海外FX業者を使用すると、相場の急変する時間帯で約定拒否が発生しやすくなります。
- 経済指標発表時
- マーケットオープン・クローズ
- 要人発言
- 突発的なニュース
など
相場の急変時は、価格の変動が大きいことから利益を狙うチャンスでもあり、約定力の高い業者を利用すれば機会損失を防げます。
スリッページが発生しにくいか
海外FX業者選びでは、約定力率に加えスリッページが発生するかどうかも重視すると良いです。
例えば、「当社の約定率は99.99%です!」とアピールする海外FX業者があったとしても、注文の99.99%が成立しているだけで、希望した価格で約定しているわけではありません。
例えば、ドル円が100円のタイミングで買い注文を出したのに、実際に約定した価格が101円だった場合、1円分のスリッページが発生している状態です。
スリッページが頻発すると取引コストが予想以上に膨らむ可能性があります。
約定率が高いこと自体はプラス要素ですが、約定力の高さを判断するうえでは約定率だけでなく、スリッページの有無や約定スピードも一緒に確認してください。
スリッページを公表している業者は少ないので、実際に利用しているユーザーの口コミ評価を見て判断する必要があります。
スプレッドの変動が小さいか
約定力の高い業者選びの際は、スプレッドの変動が小さいかもチェックしておく必要があります。
多くの海外FX業者では、固定制ではなく変動制のスプレッドが採用されています。
例えば、市場の流動性が低下し、スプレッドが2.0pipsのA社と3.0pipsのB社があったとします。
同じ程度の約定力で、エントリーした価格から0.5pipsのスリッページが生じたとしましょう。
A社の場合は実質2.5pipsのスプレッド、B社の場合は実質3.5pipsのスプレッドで取引を行うことになります。
スプレッドが大きく広がったB社の方が圧倒的に不利な取引になる仕組みです。
約定力が高くても、スプレッドが拡大しやすい業者では約定力が低いのと同じなので注意してください。
MT5を使った取引ができるかどうか
海外FXでは、取引プラットフォームの性能も約定力に影響します。
多くの海外FX業者では、プラットフォームでMT4を採用しています。
しかし、MT4に比べると上位互換ツールであるMT5の方が高い約定力のもとで取引が可能です。
仮に、MT4・MT5の両方を採用している業者で同じ取引をしても、MT5を使った方が約定しやすいとの声が多いです。
約定力重視で選ぶ際には、MT5を利用できる海外FX業者を選択すると良いでしょう。
スキャルピング・指標トレードの制限がないか
約定力の高い業者は、相場の急変動時に利益を狙いやすいため、スキャルピングトレードに適しています。
しかし、スキャルピング取引に制限をかけている業者もあり、約定力が高くても自由に取引できない場合があります。
また、公認している場合でも、決済時間の制限や特定の相場状況下での取引制限がかかることも少なくありません。
経済指標など、特定の時間帯でのスキャルピングを制限している業者もあるので注意してください。
仮に約定力が高くても、活かせる環境がなければ意味がありません。
そのため、約定力が高いだけでなく、取引の自由度が高い業者を選ぶことが大切です。
ECN口座の手数料が安いか
海外FX業者の多くは、ECN口座を提供している業者も多いです。
約定力を活かしたスキャルピングをしたい方は、各業者のECN口座を利用すると良いでしょう。
ECN口座は手数料が発生しますが、トータルコストは安く設定されているケースが多いです。
しかし、ECN口座でかかる手数料は業者によって大きく異なります。
約定力の高い業者であっても、ECN口座の手数料が高ければ実質的なコスト負担が高まる可能性があります。
そのため、ECN口座利用時はなるべく手数料の安い業者を利用して、約定力を活かしたトレードを行ってください。
変動の大きい銘柄を扱っているか
約定力は、変動の大きな銘柄での取引でこそ重要になります。
変動の大きい銘柄は、狙ったポイントで約定できないと利益を逃す可能性が高まります。また、約定拒否も発生しやすいです。
USD/JPYやEUR/USDのようなメジャー通貨ではなく、以下のような銘柄は特に変動幅が大きいです。
- GOLD(金)やSilver(銀)などの貴金属
- BTC・ETHなどの仮想通貨
- GBP(ポンド関連通貨)
上記のような銘柄は秒単位で激しく価格が変動するため、狙った価格で約定すると利益を出しやすくなります。
海外FX業者によって扱っている銘柄が異なり、中には銘柄数の少ない業者もあります。
約定力を活かした取引をしたい方は、豊富な銘柄を扱っている海外FX業者を選択しましょう。
約定力の高い海外FX業者ランキング
前述した選び方を参考に、海外FX業者をランキング形式でまとめました。
海外FX業者 | 平均スプレッド(USD/JPY) | 約定率 | 指標トレード | スキャルピング | ECN口座の手数料(1ロット往復) | プラットフォーム |
---|---|---|---|---|---|---|
XM Trading | 1.8pips | 99.88% | 可能 | 可能 | 10ドル | MT4/MT5 |
AXIORY | 1.4pips | 99.99% | 可能 | 可能 | 6ドル | MT4/MT5/cTrader |
TitanFX | 1.3pips | 99.8% | 可能 | 可能 | 7ドル | MT4/MT5 |
ThreeTrader | 0.6pips | 99.98% | 可能 | 可能 | 4ドル | MT4/MT5 |
Vantage | 1.5pips | 99.9% | 可能 | 可能 | 6ドル | MT4/MT5 |
Exness | 1.5pips | 99.9% | 可能 | 可能 | 7ドル | MT4/MT5 |
BigBoss | 1.7pips | 非公表 | ※指標のみ狙うのは禁止 | 可能 | 9ドル | MT4/MT5 |
FXGT | 1.6pips | 非公表 | 可能 | 可能 | 6ドル ※貴金属は10ドル | MT4/MT5 |
約定力の高さに加え、提供している取引環境が約定力と相性が良いかどうかも評価し、独自にランキングを作成しています。
各業者の特徴を詳しく見ていきましょう。
1位:XM Trading
海外FX業者名 | XM Trading |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.8pips |
約定率 | 99.88% |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 10ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
約定力の高さやスリッページの発生がしにくい点が多くのユーザーから評価されています。希望価格で約定されやすいうえに、キャッシュバックにより取引コストを抑えられる点から1位での掲載です。
XM Tradingは、日本人人気が最も高い海外FX業者です。
以下のようなポイントから、約定力の高い業者としておすすめできます。
- 約定率が99.88%と約定拒否がほとんど発生しない
- スリッページの幅が狭い
- 指標トレード・スキャルピング共に公認
- MT5が利用できる
- 約定力とキャッシュバックの相性が良く取引コストを抑えられる
XMは、約定率が99.88%とほとんど約定拒否が発生しません。
通常のスプレッドは広めですが、広がりにくくスリッページの幅も狭いと良い評判が多いです。
また、XMでは指標トレードやスキャルピングが公認されています。
MT5にも対応しているので、約定力を活かして効率的なトレードが可能です。
XMでは、取引ごとに現金や証拠金に交換可能なキャッシュバックを受け取れるため、約定力を活かしたトレードを行うことで取引コストを抑えられる点も魅力です。
2位:AXIORY
海外FX業者名 | AXIORY |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.4pips |
約定率 | 99.99% |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 6ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5/cTrader |
約定力の高さだけで見ると、1位のXM Tradingを上回ります。ただし、XMのようにキャッシュバックがなく発生するスプレッドのコストをカバーできない点から2位での掲載です。
AXIORYは、スキャルピングトレーダーに人気の海外FX業者です。
- 約定率は99.9%と海外FXトップクラス
- 公式サイトで約定力とスリッページ幅を公表しており透明性が高い
- 指標やスキャルピングの制限なし
- 短期売買向けのcTraderが利用できる
AXIORYは約定率99.9%を誇る約定力の高い海外FX業者です。

公式サイトには、月・年別の約定率や約定スピード、スリッページが公開されています。
トレーダーは約定率のデータを見ながら透明性の高い環境でトレードが可能です。
また、AXIORYは海外FX業者で珍しく、cTraderというプラットフォームが利用できます。
cTraderは、MT4・MT5に比べても高い約定力のもとで取引ができます。
AXIORYはスプレッドの狭い業者でもあるので、快適なスキャルピングトレードができるでしょう。
3位:TitanFX
海外FX業者名 | TitanFX |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.3pips |
約定率 | 99.8% |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 7ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
TitanFXは、海外FX業者の中でも高い約定力と低スプレッドが魅力です。キャッシュバックがなく、cTraderが使えない点からXM、AXIOYに次ぐ3位での掲載です。
TitanFXは、高水準の取引環境からスキャルピングトレーダーから人気の海外FX業者です。
約定力に関しては、以下のような特徴があります。
- 約定率が99.8%と高い
- 独自開発の「Zero Pointテクノロジー」技術を導入
- 経済指標を狙ったトレードやスキャルピングの制限なし
- MT5が利用できる
TitanFXの約定率は、99.8%と公表されており高い約定力のもとでトレードができます。
また、他の海外FX業者とは違い「Zero Pointテクノロジー」という独自技術を開発していることが、高い約定力を提供できている秘訣です。
TitanFXは、ECN口座・STP口座ともにスプレッドが狭く、トータルコストも安いため、約定力を活かしたスキャルピングにおすすめです。
指標やマーケットオープン時の制限もないので、どんな相場でも効率的に利益を狙える環境が整っています。
4位:ThreeTrader
ThreeTraderは、約定力の高さに加え安い手数料が魅力です。しかし、高スペックの口座タイプは最低入金額が高く、利用しにくい点から4位で掲載しています。
海外FX業者名 | ThreeTrader |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 0.6pips |
約定率 | 99.98% |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 4ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
ThreeTraderは、2021年に設立された新しい海外FX業者ですが、すでに多くの日本人トレーダーが利用しています。
約定力に関するポイントは以下の通りです。
- 約定率99.98%と約定拒が発生しにくい環境
- 98%の注文が0.189秒以内の高速約定
- 約定力の高さに加え、スプレッド・手数料が安い
- MT4とMT5の両方が利用できる
ThreeTraderは、99.98%の約定率と高速約定が魅力です。
98%の注文が0.189秒以内に約定されるため、スリッページも発生しにくいと高い評判が多い傾向にあります。
高い約定力と相性の良い取引環境を提供している海外FX業者と言えるでしょう。
一方で、約定力などのスペックが高いECN口座は、最低入金額が10万円程度と高い点に注意が必要です。
5位:Vantage
海外FX業者名 | Vantage |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.5pips |
約定率 | 99.9% |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 6ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
Vantageは、ECN口座で高い約定力のもと取引ができます。しかし、約定力の高いECN口座は最低入金額が高いため5位での掲載です。
Vanatgeは、近年人気が高まっている海外FX業者です。
- 99.9%の高い約定率で約定拒否の心配が少ない
- ECN口座はNDD ECN方式を採用
- 指標やスキャルピングの制限なし
- MT5が利用できる
約定率は99.9%と、前述した海外FX業者と同等水準の高さです。
特に、ECN口座は、スプレッドが極端に狭いうえに約定力が高いと人気があります。
また、実際に利用しているユーザーの声を見ても、スリッページが発生しにくいとの声も多いです。
指標時や変動幅の大きい銘柄でも、高い約定力で利益を出しやすい環境が整っています。
ただし、ECN口座は初回入金額が3,000ドル(約45万円)と高いため、利用する際は充分注意してください。
6位:Exness
海外FX業者名 | Exness |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.5pips |
約定率 | 99.9% |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 7ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
Exnessは、約定率の高さとスリッページの狭さが魅力です。一方でスプレッドが広がりやすい点から6位で掲載しています。
Exnessは、最大で無制限の高レバレッジが人気の海外FX業者です。
約定力は以下のような点が魅力的と言えます。
- 約定率が99.9%と高い
- スリッページは0.3pips以内と狭い
- 指標やスキャルピングの制限ないが、指標時はレバレッジが制限される
- MT5が利用できる
Exnessは、99.9%の高い約定率のもとで取引ができます。
スリッページも0.3pips以内とかなり狭いので、どんな相場や銘柄でも希望価格で約定しやすいです。
プラットフォームもMT5が利用可能で、スキャルピングトレードに適した環境が提供されています。
スプレッドが拡大することで、約定のずれが発生した状況と変わらない取引になる可能性もあります。
また、指標トレードは公認されていますが、指標前後はレバレッジの制限がかかるので注意してください。
7位:BigBoss
BigBossは、約定力の高さこそ魅力です。しかし、スプレッドの広さやECN口座の手数料が高い点が約定力との相性が悪いことから7位で掲載しています。
海外FX業者名 | BigBoss |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.7pips |
約定率 | 非公表 |
指標トレード | 経済指標のみを狙う取引は禁止 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 9ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
BigBossは、以下のような約定力の特徴があります。
- 約定率、約定スピード共に非公開だが評判自体は良い
- 指標のみを狙うスキャルピングは禁止
- MT5の利用が可能
BigBossは、約定率や約定スピードが公開されていません。
過去には悪い評判も多くありましたが、リニューアルを経た現在は約定力に関する良い評判が多いです。
MT5も利用可能で、高い約定力のもと取引ができます。
また、スプレッドは他社に比べて広いほか、ECN口座の手数料も高めであるため、約定力を活かしたスキャルピングなどは不向きです。
8位:FXGT
FXGTは、ECN口座で高い約定力の取引が可能です。しかし、STPタイプの口座は約定力が低く、スプレッドも広がりやすいので8位で掲載しています。
海外FX業者名 | FXGT |
---|---|
USD/JPY平均スプレッド | 1.6pips |
約定率 | 非公表 |
指標トレード | 可能 |
スキャルピング | 可能 |
ECN口座の手数料(1ロット往復) | 6ドル ※貴金属は10ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
FXGTは、以下のような約定力の特徴があります。
- ECN口座の約定力は良い評判だが、STPタイプは滑りやすいとの声も多い
- 指標トレードやスキャルピングが可能
- MT5の利用が可能
FXGTは、約定率や約定スピードを公表していません。
しかし、高スペックのECN口座であれば約定力が高いとの声も多いです。
FXGTは株式や仮想通貨など、激しい値動きの銘柄を多く扱っています。
ECN口座を活用することで、約定力が重要なスキャルピングなどでも効率的に取引ができるでしょう。
スプレッドも安定しないことが多く、銘柄や流動性によっては約定のずれで多くのコストがかかる可能性もあるので注意しましてください。
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