海外FXでは多くの業者が自動売買を公認しているため、自動売買で収益を得ている方も多いです。
そんな自動売買を、スマホで手間なく導入・運用したいという方も多いでしょう。
しかし、スマホではPCに比べてできる作業に制限があることからおすすめできません。
本記事では、スマホで海外FXの自動売買運用がおすすめできない理由や導入・運用方法を紹介します。
海外FX向けの自動売買アプリやスマホツールはない
国内FXでは、自動売買が可能なスマホアプリやスマホ専用の取引ツールを提供しているケースが多いです。
しかし、海外FXにはスマホ対応の自動売買ツールがなく、基本的にMT4やMT5に自動売買ソフト(EA)を紐づける必要があります。
- 国内FX→独自の自動売買ツールを提供。専用のスマホアプリやツールからも操作できる
- 海外FX→独自の自動売買はない。自作・他業者から購入したツールをMT4・MT5に紐づけする
そのため、海外FXで本格的に自動売買を運用する場合は、PC版MT4・MT5を使用するのが前提となります。
MT4やMT5のスマホアプリではポジションや売買履歴のみ確認可能
MT4やMT5にはスマホアプリ版がありますが、自動売買の導入や設定変更は行えません。
仮に自動売買で運用をしたとしても、スマホアプリでは以下のような基本的な作業のみできます。
- 手動での注文・決済
- 現在のポジションの確認
- 取引履歴の閲覧
- 資産残高や証拠金維持率の確認
スマホアプリでも実際の注文や決済はできますが、あくまでも手動の場合であり、自動売買の導入や設定はPCを使って行う必要があります。
海外FXの自動売買をスマホで操作する方法
海外FXの自動売買は、スマホでの操作や導入がまったくできないわけではありません。
手間はかかりますが、以下2種類の方法を使うことで、スマホ上でも操作が可能です。
リモート接続アプリから操作する
リモート接続アプリを使えば、スマホからVPSにアクセスし、PCと同様にMT4・MT5を操作できます。
- Microsoft Remote Desktop
- RD Client
- Windows App Mobile
リモート接続アプリは、VPSを事前に契約後に、アプリ上からVPSの情報を入力することで操作ができます。
スマホだけでMT4・MT5の導入や、自動売買の紐づけ、操作などのすべてができる方法です。
しかし、PC版で運用する際に比べて、かなり手間がかかるので注意しましょう。
VPSのウェブブラウザから操作する
VPSの管理画面にスマホのブラウザからアクセスし、サーバーの稼働状況を管理する方法もあります。
多くのVPS業者は、専用のウェブ管理画面を提供しており、VPSの起動・再起動、場合によってはリモート操作が可能です。
しかし、多くの管理画面はPC向けに設計されているため、スマホの小さな画面では操作が難しく、表示も見づらい場合があります。
スマホだけで海外FXの自動売買を導入する方法
スマホだけで海外FXの自動売買を導入するには、VPS(仮想専用サーバー)を活用する必要があります。
ここでは、スマホのみで自動売買を設定し、運用を開始するまでの手順を、リモート接続アプリから操作する方法を例に詳しく解説します。
まずは、海外FX業者の口座を開設しましょう。
開設する海外FX業者は、自動売買を公認しており、導入する自動売買ツールに適した業者が望ましいです。
また、使用する自動売買ソフト推奨のプラットフォーム(MT4・MT5など)に対応しているかも、事前にチェックしてください。
自動売買をスマホで稼働させるには、PCの代わりにVPSを利用する必要があります。
VPSは、24時間稼働する仮想のパソコンのようなもので、「お名前.com」や「XServer」などの業者が代表的です。
海外FX業者の口座開設が完了したら、VPSのサービスを申し込んでください。
VPSの申し込みが完了したら、スマホからリモート接続を行います。
お名前.comの場合は、以下のようなリモート接続アプリが推奨されています。
- iPhone・iPadの方:「Microsoft Remote Desktop」
- Androidの方:「RD Client」または「Windows App Mobile」
アプリを開き、VPSの接続情報(IPアドレス・ユーザー名・パスワード)を入力すると、スマホ上でVPSにアクセスできるようになります。
自動売買のソフトは、Googleドライブなどのクラウドストレージに保存しておくと便利です。

まず、スマホにGoogleドライブのアプリをインストールしてください。

その後、ファイルをアップロードをクリックして、自動売買ソフトをドライブ内に保存します。
VPSに接続したら、Googleドライブを開きましょう。

VPSからPCサイトを開いた後にGoogleドライブを開き、先ほどアップロードした自動売買ソフトが表示できる状態にしてください。
次に、VPSからFX業者の公式ページからダウンロードします。

インストールが完了したら、MT4・MT5を開き、ログインID・パスワード・サーバー名を入力して取引口座にログインします。
MT4・MT5を開いたら、先ほどダウンロードした自動売買ソフトを導入します。
まず、MT4・MT5の「ナビゲーター」ウィンドウを開き、「エキスパートアドバイザー(EA)」の項目を選択します。

次に、Googleドライブに追加した自動売買ソフトをドラッグ&ドロップでチャート上に適用します。

その後、EAのパラメータ設定を行い、「自動売買を許可」にチェックを入れます。(MT5は「アルゴリズム取引を許可」)

最後に、上部にある「自動売買」ボタンをオンにして、自動売買を有効にします。(MT5は「アルゴリズム取引」)
入金した状態で自動売買ボタンをオンにできれば、実際に稼働が開始されます。
海外FXの自動売買をスマホで行う際の注意点
海外FXでの自動売買は、VPSを使うことでスマホからでも導入・操作が可能です。
しかし、PC版に比べると手間がかかる以外の面でもデメリットが多いので、基本的にPCから操作を行ってください。
具体的なデメリットを紹介します。
自動売買の操作ができないVPSもある
スマホからVPSを操作する場合、すべてのVPSが対応しているわけではありません。
海外FX業者が独自に提供しているVPSなどは、リモート接続や管理が制限されている場合があります。
また、一部のVPSでは、スマホ用の管理アプリが提供されているものの、あくまでも閲覧のみ可能でMT4やMT5の操作ができないケースもあるので注意しましょう。
スマホで操作したい方は、契約するVPSの仕様をよく確認することが重要です。
バックテストが取得できない
自動売買を運用する前には、勝率や資金が減るリスクを過去チャートからデータ化したバックテストを行う必要があります、
しかし、スマホ版のMT4・MT5ではバックテストを行う機能がなく、VPSを通じてアクセスした場合でもPC環境と比べて制限が多いため、詳細なバックテストは取得できません。
そのため、自動売買のパフォーマンス確認や、市場変動に応じた調整にはPCが必須になります。
画面が見にくく操作がしにくい
VPSは基本的にPCからの利用を想定して設計されており、スマホでは誤操作のリスクが高まります。
また、VPSのウェブ管理画面もスマホ向けに最適化されていないものが多く、スクロールや拡大・縮小を頻繁にしなければならないため、快適な操作ができません。
そのため、スマホでの管理はあくまで補助的なものと考え、設定の変更や細かい作業はPCで行うのが望ましいです。
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